令和5年1月8日、NHK大河ドラマ『どうする家康』の第一回が放送された。主演はジャニーズ事務所の松本潤、脚本は映画『ALWAYS 三丁目の夕日』やドラマ『外事警察』などを手がけた古沢良太だ。
第一回「どうする桶狭間」はタイトル通り、織田信長が今川義元を破った桶狭間の合戦が描かれている。この頃、三河松平家は駿河の今川家に服属しており、ドラマの主人公である松平元康(のちの徳川家康)は人質として今川領に居住していた。
後に天下人となる家康だが、この頃は文字通り弱小勢力。松平家の居城・岡崎城には今川家の城代が居座り、属国・三河の兵は対尾張戦で最前線に立たされることになる。
ドラマでは能楽師・野村萬斎が今川義元を演じ、劇中では能を舞うシーンもあった。(NHKの公式サイトでは義元の舞〈完全版〉が公開されている)
今川家といえば足利将軍家の支族である吉良家の分家にあたり、南北朝時代に駿河・遠江国の守護に任じられている。徳川家と違い、今川家は正真正銘の清和源氏である。義元の代には積極的に領土を拡大し、東海地方最大の戦国大名となった。
そんな今川家も義元が織田軍に討ち取られた桶狭間合戦からわずか9年後、駿河・遠江を追われて大名としての地位を失う。しかしその後、徳川家の家臣となり、江戸時代には高家としてその家名を繋いでいる。
そして幕末には今川範叙が幕府の重役である若年寄に就任。高家から若年寄に就くのは異例のことだったが、対朝廷の折衝役を期待されたといわれている。維新後は叙爵されず、子孫もいなかったため範叙の代で血統が途絶えることとなった。
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