国民民主党が「リフレ派」日銀人事に賛成票

令和3年2月9日に行われた衆院本会議で、日銀審議委員に野口旭専修大教授を充てる同意人事案が可決され、翌10日の参院本会議でも可決、成立した。
 
そもそも、日本の経済政策の大部分を占める金融政策を決定するのが、日本銀行政策委員会である。同委員会は、総裁1人、副総裁2人、6人の委員の、計9人で構成される。

つまり、日銀人事とは日本経済の今後を決定する重要な人事ということである。

リフレ派を登用する意味

野口旭氏といえば、リフレ派の経済学者として有名だ。

では、野口教授が分類されるリフレ派とは何者なのか。本題に入る前にリフレ派と今回の日銀人事について説明させていただく。

リフレ派とは、「通貨供給量を増加させることで景気回復を目指す経済政策を主張する人々」を指す。具体的には、日本銀行が市場に通貨の供給量を増やすことで日本をデフレから脱却させようとする考え方だ。

日本銀行総裁の黒田東彦総裁もリフレ派の一人であり、『黒田バズーカ』と呼ばれる異次元の金融緩和を実行した。

実際、安倍前総理が就任後真っ先に取り組んだことは、当時の白川方明総裁に辞任を迫り、黒田晴彦現総裁を送り込んだことであった。

その結果、リーマンショック以来全く回復の兆しを見せなかった株価は倍増し、失業率等の数字も改善した。

その後の消費税増税で景気回復は水を差されたが、緩やかな景気回復が続いたことで、安倍政権の長期化につながった。

いわば、リフレ派に則った経済政策とそれを支えるための日銀人事は、自民党にとっての命綱といっても過言ではない。

菅政権が今回、野口旭教授のようなリフレ派を日銀審議委員に起用したということは、日本経済を回復させるための期待を持たせる人事であると言ってよい。

しかも、今回は『産業界枠と呼ばれる産業界からの審議委員への起用をするという慣例(6人の委員は、産業界から3人、学者と民間エコノミストから2人、女性1人。今回は産業界の『枠』の後継人事であった)を取っ払ってまでの起用である。

これは市場にとって、「菅政権は景気回復をあきらめていない」というメッセージにもなる。

国民民主党、賛成の「衝撃」

前置きが長くなったが、今回の人事案で立憲民主党や日本共産党が反対する中、国民民主党が賛成票を投じた。国民民主党が可決側に回ったことには大きな意義がある。

なぜならば、今まで国民民主党は前身の民主党=民進党時代から一貫して政府の日銀人事には反対票を投じてきたからだ。今回初めてその方針を撤回し、選挙協力を行っている立憲民主党とも、あえて別の投票行動をとった。

国民民主党は以前より消費税増税の凍結を主張し、積極財政的な政策を主張している政党であった。実際、昨年の10万円の個人向け給付(特別定額給付金)では、野党をまとめ上げて政府に提言している。

今回の「日銀人事での賛成票」は日本経済の成長を志向する野党の出現を期待させる。今後、このような日本経済の成長を議論できる野党が成長し、国会論戦が正常化することを願ってやまない。

菟乃元(うの・はじめ)/平成6年生まれ。北九州市立大学法学部政策科学科卒業。2009年、当時中学3年生の時に迎えた政権交代に衝撃を受け、政治に興味を持ち始める。知行合一をモットーに、現場に入って学ぶことを重視する。

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