【ピースボート】世界一周クルーズ中止で「3年かけて返金」トラブル相次ぐ

前回の記事では「ピースボートの2020年8月出港クルーズ中止を求める会」について書いた。今回は現在問題になっている返金トラブルについて書いていきたい。

NGOピースボート・株式会社ジャパングレイスが実施予定だった「ピースボート104回ピースボート 地球一周の船旅」(2020年4月9日~7月23日)は既に中止済みである。

また私たちが中止を求めた第105回クルーズ(2020年8月出航予定)や、それ以後の第106回クルーズ(2020年12月出航予定)、第107回クルーズ(2021年4月出航予定)に関しても、コロナ騒動のあおりを受けてキャンセルする客が発生している。

従って株式会社ジャパングレイスには乗客に対し、スムーズかつ速やかに旅行代金を返金する責務がある。しかしなんとジャパングレイスは、多くのお客様に対して「36分割の返金」を迫っているのだ。これは一体どういうことなのか?

今回のコロナ騒動はジャパングレイスにとっても全く不運なことであった。同情に値する。しかしクルーズが不測の事態で中止する以上、お客様に返金が必要なのは言うまでもないことだ。

だがTwitter界隈をはじめ世間を騒がせているのは、「36分割の返金」である。これは月に1度のペースで3年もかけて返金するというスケジュールであり、被害者にとっては3年間無利子で金を貸し付けているのと同じ状況だ。

これは完全にジャパングレイスの勝手な言い分であり、被害者にとっては到底納得のいく話ではないだろう。

お客様に「お願い」するならまだしも…

そもそもジャパングレイスの旅行業約款には、「旅行開始前に払い戻しが生じた際は、解除の翌日から起算して7日以内に払い戻す」と規定されている。それにも関わらず、「ジャパングレイスを倒産させないために協力してください」と手前勝手にも36分割の支払いを要求しているのが現状だ。

100歩譲って、ジャパングレイスからお客様に対して36分割を「お願い」することはできても、「強制」することは決してできない。そして顧客よりも経営優先というのは、社会人としてあり得ない態度だ。

「夢の地球一周が一瞬にして悪夢に…」、「船に乗るために職場には退職の申し込みをしていた。お金が戻ってくるかも分からない。辛い」、「私の100万円を返して欲しい」、「こんな不安な毎日はもう過ごしたくない」…。

Twitterにアップされている被害者の声はどれも差し迫ったもので、読むのも辛い。私自身、乗船経験があるのだから尚更だ。もし私が彼らの立場だったらどれだけ苦しいだろうか…。

私は過去乗船者であって直接の被害者ではないが、何とか力になりたいと返金トラブルの被害者の相談に乗ったりしている。

堂々と嘘をつく運営会社

実は36分割ではなく、一括返金を受けた人も存在する。

「連日の交渉の結果、今日ジャパングレイスから一括返金されました」とTwitterのDM(ダイレクトメッセージ)で送ってくれた方もいた。自身のタイムラインに「全額返金を受けた」と書いて“いた”方もいた。

また直接的な言及はないものの、最初はジャパングレイスを厳しく批判していた方が「和解した」とDMをくれ、その後はツイートを消すという一括返金を匂わせる出来事もあった。

わざわざこの様な嘘を書く必然性はないので、一括返金を受けた方が複数名いるのはほぼ確実であろう。

しかしジャパングレイスが、36分割をお願いしている被害者に対して、なんと

「36回払いしか出来ない。一括返金を受けた人は一人もいない。その様な事実はない」

と伝えていたことが、Twitterの相談者から分かった。これは事実の隠蔽であり、とんでもない話である。

これだけインターネットやSNSなどが発達している現在、こうした返金トラブルが発生すれば、情報はすぐに拡散し、共有されるに決まっている。いくら事実を隠蔽しようとしたところで、バレるに決まっているのだ。

本当のことを話せば、せめて誠意は伝わるかも知れない。だが嘘をつけば益々お客様を不快にさせ、信用をなくすだけだ。仮にも地球一周クルーズを何度も実施した株式会社が、なぜそんな簡単なことも分からないのだろうか?

これでは人通りの多い場所で花瓶を割った小学生が、「僕が割ったんじゃないよ」とバレバレの嘘をついているのと何ら変わりがない。

実はTwitterでは一括返金を受けた(と思われる)方々が、「これからツイートは消していく」、「外野は黙っていて欲しい」、「例の件については消しました。大人の事情で伝えることは出来ません」というようなことを書き始めている。

これはもしかしたら、ジャパングレイスから「お前には一括返金するけど、その代わり他言無用だからな」と脅迫じみた圧力をかけているのかも知れない。

その一方で、先述のように嘘を言われた方もいる。中には「36回払いになる」とまくしたてられ、一方的に電話を切られたという方もいた。この方は20代前半と若く、あるいはジャパングレイスは若いお客様を侮っているのかも知れない。

「強い者に弱く、弱い者に強い」ということだとしたら、卑劣極まりない態度だと言わざるを得ない。

LINEで呼びかけただけで「即排除」

ちなみに事実の隠蔽は返金トラブルの被害者だけではなく、私の身にも降りかかってきた。前回の記事を福岡のピースボートセンターおよび88回クルーズ(私が2015年に参加したクルーズ)のグループLINEにアップし、「一緒に正義のために戦おう」と呼びかけたときのことだ。

福岡のグループ(上記)では、諫められつつも対話で解決しようという姿勢がみられたからまだ良い。しかし88クルーズのグループ(下記)では、何の前触れもなく一方的に私は追い出された。

確かに私の発言は突飛だったかもしれない。スタッフにとっては耳の痛い話だったかも知れない。だからと言ってこの仕打ちはないだろう。100歩譲って退出させたあと何かしらのフォローがあればまだマシだが、それすらもない。

これは完全なる言論弾圧である。また例えるなら、「同級生の万引きを止めた高校生が一方的に退学させられた」というのと同じである。

ピースボートは有言不実行・言行不一致

実はTwitterで見たのだが、ピースボートのボランティアスタッフ(現在ピースボートのポスターを張っている人たち)のグループLINEでも、1人が返金トラブルの件で発言すると、スタッフが数百人のメンバーを次々と退会させるという事態が起こっていた。

ピースボート関係者は、いつも口では「世の中の争いごとを話し合いで解決しよう」とご立派なことを言いながら、実際はこのザマである。5年前に船に乗ってからずっと感じていたことだが、有言不実行・言行不一致が彼らの常だ。

思えば「有言不実行・言行不一致」というピースボートの態度は、ジャパングレイスの「自分に甘く他人に厳しい」という横着な姿勢とよく似ている。こうした不誠実な運営が積もりに積もって、今回の返金トラブルに繋がっているのではないだろうか。

私は一刻も早く、返金トラブルの被害に遭っている方々に返金がなされることを望んでいる。断っておくと、返金はゴールではない。スタートである。そもそも返金するのが当たり前なのであり、「返金したから偉い」とか「返金したからすごい」ということではない。

繰りかえしになるが、私は返金トラブルの被害者への迅速かつスムーズな返金を求める。それと同時に、NGOピースボート・株式会社ジャパングレイスの誠意ある反省と抜本的な改善を望んでいる。

(※本文で引用しているTwitterの文言は、誤字脱字なども含め、プライバシー保護のため一部編集しております)

矢野哲郎(やの・てつろう)/平成3年、福岡県行橋市に生まれる。下関市立大学経済学部卒。大学卒業後は塾講師の仕事を行い、国語・数学・英語などの科目を担当。放課後などの時間帯を利用して学習指導を行う「子どもひまわり学習塾」の指導員として4校の小学校を担当。NGOピースボートが主催する地球一周クルーズに参加し、人種差別に関する企画やブラインドサッカーなど多様な自主企画を実施。

『僕がぼくであるために ピースボートで大東亜戦争のことを考えた』
出版社:花乱社 (2018/6/28)
内容紹介:
自分のスタイルを確立せよ!
色んなことを語ろう,学ぼう,世界を旅しよう。
ブラインドサッカー,尾崎豊・裕哉父子,ピースボートで出会った仲間たち,そして世界で初めて人種差別撤廃を訴えた祖国・日本から僕が学んだ人生のヒントとは?

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