1年も前に日本人宗教家が警告していた新型肺炎 「風邪見鶏になるな」とは?

世界中を恐怖に陥れている中国・武漢発の新型コロナウイルス感染症。実はこのような新型ウイルスの発生と流行は、専門家の間では以前から可能性を取り沙汰されているものだった。

今回紹介したいのは、ちょうど1年前の平成31年2月に刊行された『風邪見鶏 人類はいかに伝染病と向き合ってきたか』(集広舎)である。著者は「金光教泉尾教会総長」という肩書きを持つ異色の宗教家・三宅善信氏。

三宅氏は同著の冒頭で次のように警告を発していた。

たとえ未知の新型インフルエンザがパンデミックを起こしても、世界規模での被害は出ないであろうという楽観的予測もある一方で、(中略)わずか数十時間の内に高度に発達した高速交通手段によって一挙に全世界に拡散してしまうという非常に危険な世界にわれわれは暮らしているのである。
(はじめに)

その上で、三宅氏は

このような大惨事に直面しても、人々が狼狽えることなく対処するため、人類文明にとっての伝染病の意味を説き明かすために、私は本書を著すことにした。
(同上)

と執筆目的を明らかにしている。

『風邪見鶏 人類はいかに伝染病と向き合ってきたか』は伝染病(三宅氏はあえて感染症ではなく歴史的な意味を込めて伝染病と呼んでいる)について語るだけではなく、伝染病との戦いで培われた伝統的風習や、文明論や宗教論に関しても深く考察している。

その上で、いま特に重要なのが第6章「スーパー・スプレッダーがいればこそ」である。同章から一部引用する。西暦2002〜2003年にかけて猛威をふるったSARSに関する指摘だ。

たいてい新型のインフルエンザは、中国南部の農村部の家禽と家畜が人家の中で飼育されているような環境下で(中略)種の違いを超えて、アヒルとブタとヒトのお互いの体内に別種のインフルエンザウイルスも取り込まれ、そこでウイルス同士の遺伝子交換が行われて、新種のインフルエンザが発生すると言われて久しい。(中略)中華人民共和国当局も、「不都合な事実」を隠そう隠そうとするので、このときのSARS禍も、国際社会からの発見が遅れ、これだけ被害を拡大させてしまった。
(第6章 スーパー・スプレッダーがいればこそ)

まさに、今回の武漢肺炎でも中国当局は同じような失敗を繰り返したと言える。

スーパー・スプレッダーとは

また、「スーパー・スプレッダー」という存在について次のように指摘する。

ある人がスーパー・スプレッダーになるためには、その人が行動範囲の広い人であるだけでは不十分で、そこそこ健康な人でなければだめである。(中略)強力な病原菌やウイルスを保持した状態で、普通の人なら参ってしまうような状態でも、なおかつ見た目は健康で各地をウロウロとすることが、スーパー・スプレッダーの必須条件である。
(同上)

その上で、三宅氏は世界宗教についてもスーパー・スプレッダーのような人物がいたからこそ拡散したのだと、宗教家らしい見解を披歴している。

本書の各章題は次の通り。

第一章 風邪見鶏:インフルエンザと鳥の深い関係
ネグロス島で目にした衝撃的な光景/A型インフルエンザは一九八種類もある/平安時代から知られていた鳥インフルエンザ/ワクチンを造っている連中を疑え/これまで三種類のインフルエンザが大流行した/「六十年周期説」は単なる偶然か

第二章 都市は人類に何をもたらしたか
ギルガメッシュとスサノヲ/都市文明が創唱宗教を創り出した/祇園八坂神社のご祭神は素戔嗚尊ではなくて牛頭天王/祇園祭と出エジプト記の奇妙な一致/自然は独占を嫌う

第三章 天然痘と鬼にまつわる話
鬼は外! 福は内!/疱瘡(天然痘)は見目定め/最初の生物兵器はインディアンに対して使用された/「鬼」の正体は天然痘/大江山の鬼はもともと難波宮にいた

第四章 「桃太郎」とは何者なのか
大和朝廷と古代吉備王国/艮の金神の誕生/「平賊安民」とはいかなる意味か/古よりあった不思議な桃の話/近代国家が創り上げた理想的な少年像/鬼畜米英

第五章 BSEと鳥インフルエンザ
旧約『創世記』と中国の「三皇五帝」/日本に馴染まない家畜文明/牛肉消費の棲み分け/もうひとつの九・一一事件/常にダブルスタンダードなアメリカ/BSE騒動に乗じてデフレスパイラルを打破/家畜と都市住民/BSE・鳥インフルエンザ・鯉ヘルペスの奇妙な関係

第六章 スーパー・スプレッダーがいればこそ
SARSに関する中国政府の不都合な真実/日本人と台湾原住民との近縁性/SARSをばらまいたスーパー・スプレッダー/丈夫でないとスーパー・スプレッダーになれない/「腸チフス・メアリー」って誰?/使徒ペテロこそ最大のスーパー・スプレッダー/ザビエルも蓮如もスーパー・スプレッダー/梅毒は二十年で世界を一周した

第七章 峠と辻:岐路に坐す神々
国際公用文字としてのアルファベットと漢字/「国字」とはなんぞや/黄泉津比良坂という境候補/「峠」とは、別世界の入口である/「辻」に坐す導きの神、猿田彦

第八章 玄関扉にみる日本文化論
公私の区別は足許でする日本人/「内から外」と「外から内」/招かれざる客/素足になったという仲間意識/シークレットサービスの大失態
/日本総領事館駆け込み事件

第九章 いのちの価値の優先順位
1ミクロンの細菌にも一ナノメートルの魂/日本では毎年一万人がインフルエンザで亡くなっている!/新型インフルエンザの出現周期について/興味深い抗原「原罪」説/ワクチン製造の現状/「風邪見鶏」は通用しない

「無菌培養」されている日本人

三宅氏は今年1月13日、自身のfacebookで武漢肺炎について次のように述べた。

中国の内陸部で、またぞろ新種のコロナウイルスが原因とされる新型の肺炎が発生した。私はこれまで何度も、「生きているものはなんでも食べる」中国人の食文化が、「本来はけものの感染症であった病原菌やウイルスを人類社会に持ち込んでいる」と警鐘を鳴らしてきた。(中略)肉体的にも精神的にも「無菌培養」されている日本人に、中国から禍々しいものが持ち込まれないことを切に願う。

なお同著は、奥野卓司氏(情報人類学者・山階鳥類研究所所長)、勝田吉彰氏(関西福祉大学教授・元外務省医務官)などの専門家も推薦している。

『風邪見鶏 人類はいかに伝染病と向き合ってきたか』
集広舎刊
三宅善信著
2019年2月8日刊行

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