劉暁波氏が世界に問いかけたことは? 福岡の追悼フォーラムに150名

2018年7月13日は中国の人権活動家でノーベル平和賞受賞者である劉暁波氏が獄死して1周年だった。世界各地で劉氏を追悼する式典が開かれる中、日本では唯一、福岡市で「劉暁波追悼フォーラム」が開催され、約150名の市民が参加した。

福岡市の「劉暁波追悼フォーラム」はNPO法人夢・大アジアの石井英俊理事長らが実行委員会を組織して準備され、福岡市教育委員会や地元マスメディアが後援。地元の有志約20名がボランティアスタッフとして運営に協力した。

フォーラムの冒頭、全員で黙祷を捧げる。

当日は中国人権問題専門家など国内外から6名の講師が登壇。劉暁波氏の業績や、現在の中国における人権問題などについて語った。

講師の一人であるルポライターの麻生晴一郎氏は「いまの中国では普通に生活する上での自由は拡大したが、公的な問題について市民が連帯することは許されていない」と指摘。中央大学准教授の及川淳子氏は「劉暁波氏はあえて中国国内で言論活動を行うことで、思想と行動を一致させようとした」と強調した。

日本人のあり方についての問題提起も相次いだ。元熊本学園大学教授の横澤泰夫氏は、「日本政府も日本の知識人も、中国共産党による人権弾圧を無視し、容認している」と批判。歴史作家の浦辺登氏は、「明治時代の日本人は中国革命を支援したのに、現在はその史実すら忘れ去られている」と述べた。

また、台湾からは著名なジャーナリストである楊憲宏氏が報道関係者を引き連れて来日。生前の劉暁波氏に繰り返しインタビューを行い、中国民主化や台湾との統一について議論したことを明かした上で、「かつて実現した台湾の民主化は中国民主化のモデルになり得る」と主張した。

中国現代文学者の劉燕子氏は、劉暁波氏とその妻である劉霞氏の詩を紹介。中国語と日本語による朗読を涙交じりに行い、来場者に深い感動を与えた。劉燕子氏は「来年で天安門事件から30年。中国では事件が語られることは許されないが、隣国の日本を通じて知ることができる。いつか劉霞を日本に呼びたい」と語った。

フォーラム実行委員と講師ら。

劉暁波追悼フォーラム実行委員長の石井英俊氏は、「今回のフォーラムに結論はない。劉暁波氏が世界に問いかけたことは何だったのかを考える場として設けた。今後の日中関係が自由や人権、法の支配に基づいて再構築されるきっかけにしたい」とフォーラムの意義を述べた。

フォーラム参加者の一人は、「劉暁波氏のような素晴らしい人物が中国にいたということに感銘を受けた。いまの日本はあまりにも冷淡。もっと中国の人権問題や民主化について発信し、心ある中国人を支援すべきだ」と感想を語った。

福岡市における劉暁波追悼フォーラムは、今後毎年開催される予定だ。

(選報日本では、追悼フォーラム登壇者による講演内容の詳報を連載します)

本山貴春(もとやま・たかはる)/昭和57年生まれ。独立社PR,LLC代表。戦略PRプランナー。『選報日本』編集主幹。北朝鮮に拉致された日本人を救出する福岡の会副代表。福岡市議選で日本初のネット選挙を敢行して話題になる。大手CATV、NPO、ITベンチャーなどを経て起業。

『劉暁波伝』(集広舎刊)
余傑 (著), 劉燕子 (編集, 翻訳), 横澤泰夫 (翻訳)
度重なる拘束や監視にもかかわらず中国にとどまり続け、民主化を訴えた劉暁波とはどのような人間だったのか?! 最後まで彼と行動を共にした若手知識人作家による劉暁波の人生録。


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