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国会議員などの「公職選挙」に立候補するのに最低限必要な5つのモノとは?

いよいよ衆議院総選挙が迫って来た。今回の衆院選は突然やって来た印象があるが、民主主義国であるわが国では毎年のように全国どこかで公職選挙が行われている。

公職選挙とは、衆議院・参議院の国会議員選挙、都道府県知事選挙、都道府県会議員選挙、市区町村長選挙、市区町村議員選挙のことだ。

これら公職選挙のうち、必ず「定期的」に実施されるのは参議院選挙だけで、他は首長(知事・市区町村長)の辞任や議会の解散によって突然行われることがある。

選挙に出るための準備というのは大変で、突然思い立って立候補、というわけにはなかなか行かない。特に「選挙事務」と呼ばれる、立候補のために必要な書類や手続きは膨大であり、「選挙運動」には多くの人手がかかる。

そこで今日は、公職選挙に出るために最低限必要なものは何なのかを整理してみたい。

(1)供託金

わが国の公職選挙は「公営選挙」になっている。選挙にかかるさまざまな費用を、税金で賄っている。選挙ポスターの印刷費や、選挙ハガキの郵送費も公金から支払われる。

それは、より公平な選挙戦を実現するための制度だが、面白半分に立候補する人間がいると、税金に無駄遣いになる。そのため、立候補者からあらかじめ一定額を預かり、あまりにも得票数が少ないとそのお金を没収することになっている。

この供託金というのが高額で、地方議員選挙でも政令市では50万円ほど。国会議員なら300万円。衆院選小選挙区とブロック比例区を重複立候補すると600万円かかる。首長などもだいたい300万円だ。

なお、供託金は地域の法務局に持っていく必要がある。

(2)設備外積載許可申請書

書類の名前だけ見るとややこしそうだが、要するに選挙カーの利用申請書類だ。通常の車両に看板やスピーカーを「積載」して走行するため、警察署の許可が必要となる。

申請に際しては、運転者全員の運転免許証コピーや、選挙カーの図面、車検証、選挙区地図などの添付が必要。

(3)立候補届出書類

選挙管理委員会に提出する書類一式。無所属で立候補する場合と、政党の公認を得て出馬する場合で多少異なるが、とにかく膨大な書類がある。印鑑もたくさん押すことに。

通常は「事前審査」というものがあり、書き方などは選挙管理委員会の人が丁寧に教えてくれる。

(4)選挙公営書類

わが国の公職選挙は「公営」であるため、選挙運動にかかる費用のいくつかを公費で負担できる。選挙ポスターの印刷代や選挙カーのガゾリン代などもその一つだ。

これらを公費負担するには、事前に業者との契約書を選挙管理委員会に提出しなければならない。業者の印鑑も必要なので要注意だ。突然の選挙となると業者を探すのも一苦労する。

(5)選挙ポスター、法定ビラ、選挙ハガキなどのデザイン

公営掲示板が設置できる選挙(衆院小選挙区・参院都道府県選挙区・都道府県知事選・市区町村長選・地方議員選)では、選挙ポスターを事前に作成し、内容や大きさなどのチェックが必要となる。

法定ビラとは、選挙期間中に配布できるビラ(チラシ)のことで、自費で新聞折込も可能。ただし枚数が決まっている。選挙ハガキは公費で送れる郵便ハガキで、こちらも上限がある。いずれも、事前に大きさや内容のチェックがある。

以上、5つに分けて列挙してみたが、選挙運動に関わったことがない人には想像できないくらい、立候補するというだけで大変な労力が必要となる。

スタッフを雇っていない候補者陣営では、候補者自身で行うか、ボランティア頼りになるので尚更大変だ。いずれにしても未経験だとわからないことだらけなので苦労する。

わが国は「普通選挙」が導入され、誰でも一定の年齢以上で日本国籍があれば被選挙権、つまり公職選挙に立候補する権利がある。しかし事務的に、あるいは資金的にも大きなハードルがあるのは間違いない。

この上に、有権者に見える形での「選挙運動」が必要なわけで、選挙戦全体で莫大なエネルギーが必要。それだけのエネルギーをかけても当選することは容易ではないし、仮に当選しても、わずか4年から6年の任期で次の選挙戦を迎えることになる。

衆議院選挙(総選挙)は政権選択の重要選挙であり、首相に解散権があるので、4年の任期を全うすることはあまりなく、だいたい3年おきの選挙となる。

政治家というとお金に汚いイメージもあるが、実際には、政治家(議員)を続けるというのは出ていく方のお金の方が多いケースが多数派かもしれない。

自己の財産を減らしてでも、政治家として何かを成し遂げるという「覚悟」がなければ、選挙に出ることはできないのだ。有権者としても、その前提で立候補者に接したいものだ。

本山貴春(もとやま・たかはる)独立社PR,LLC代表。北朝鮮に拉致された日本人を救出する福岡の会副代表。福岡市議選で日本初のネット選挙を敢行して話題になる。大手CATV、NPO、ITベンチャーなどを経て起業。

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