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日本企業における深刻な人材不足 結果的に「ダイバーシティ化」が進んでいる

企業の現場において、ダイバーシティ(多様性)が求められるようになって久しい。

これは、「国際競争力の向上」「社内活性化への貢献」などの観点から、女性管理者の積極的な登用、外国人労働者の雇用を促進するといったことが挙げられるが、その取り組みは企業規模、業種などによって一様ではない。

経済同友会が2012年から毎年、ダイバーシティについて企業にアンケートを行っている。項目として女性の登用・活用、それに付随する多様で柔軟な働き方と併せて、外国籍人財(同アンケートでは、「たから」となる人材という主旨で人「財」と表現されている)の登用・活用に関する結果も公表されている。

直近(2017年2月)公表の結果によると、従業員数に占める外国籍人財の比率は、正規雇用で3%、非正規で1.6%という状況である。

また採用の状況として、今後採用の比率を高めることを検討している企業は25%にとどまり、半数近い47.6%は特に検討していないということだ。

同アンケートは、日本人の中途採用者についても言及している。そこでは、上記外国人財同様、中途採用者の採用状況に関する項目あり、今後採用の比率を高めることを検討している企業は21.9%にとどまり、60.2%は特に検討していないという数字である。

同アンケートの依頼数(903企業)に対し、有効回答数は131(14.5%)であり、この結果だけを以て日本企業全体のダイバーシティに対する意識を把握できるものではないかもしれない。しかし、外国籍人財及び中途採用者に関するアンケート結果を勘案すると、少なくとも同アンケートの対象となっている「大企業」にとって、「人財不足」は焦眉の急ではなさそうである。

私は日々、技能実習生を雇用している中小・小規模企業の現場で話を伺うことが多い。そこで感じることは、技能実習生の雇用はもちろん、女性が取締役など役員のポストに就いておられるケースをよく目にする。

そのような企業は、家族(的)経営であるという理由もあるのかもしれないが、国としての方針でもあるダイバーシティ経営を図らずも実践しているのは、こういった中小・小規模企業ではないかと感じるのだ。

現在日本には382万事業者の企業が存在し、その内中小企業・小規模事業者の数は380.9万事業者で、実に日本の会社の99.7%を占めている(中小企業庁。2014年7月時点)。

平成28年4月に公表された2016年版中小企業白書に基づき、平成27年度の大企業及び中小企業の売上高、経常利益を比較してみると、それぞれ売上高は139兆円と126兆円、経常利益は9.9兆円と5.2兆円である。また従業員数についても、大企業1,433万人に対し、中小企業3,361万人であり、雇用に与える影響も小さくはない。

これらの数字を見る限り、中小企業の数値は売上高、経常利益双方に於いて、決して大企業に引けを取らない数字であると言えよう。

さらに中小企業庁のデータによると、中小企業経営者の方のほとんど(約9割5部)が、何らかの形で事業を継続していきたいと考えておられるようだ。また廃業を検討されている経営者の方の約2割5部は、人材面(適切な後継者が見当たらない)での理由によるものである。 
 
必要性、また現状を鑑みても、日本国内においてダイバーシティを加速させる原動力となるのは大企業よりも、むしろ中小企業であると言っても過言ではないのではないだろうか。

安部有樹(あべ・ゆうき)/昭和53年生まれ。福岡県宗像市出身。現在、外国人技能実習生を受け入れる管理団体に勤務するかたわら、社会的な問題解決のための提言を続けている。

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