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忘れてはならない日本人の悲劇 それはまさに「満州大虐殺」!

私たちが中学校時代に習った歴史教科書には、いわゆる南京大虐殺など、わが軍による「残虐行為」がこれでもかと強調されていた。先人の努力もあり、現在ではそのような虚偽記載は教科書から減りつつある。

しかし一方で、日本人が受けた残虐行為はあまり顧みられることがない。それは「外地からの引き上げの苦労話」「シベリアへの強制連行」などとして語り伝えられるものの、そこで具体的に何があったのかは、知らない人が多いのではないだろうか。

そもそも、大日本帝国陸海軍は生真面目なまでに国際法を遵守する軍隊だった。それは、もともとの日本人としての国民性もあるだろうし、明治以来、「一等国として認められたい」という願望が昭和の時代まで続いていた影響とも言える。

戦時国際法では、軍隊が民間人を殺傷することを原則禁止している。そのため、軍人(戦闘員)は軍服を着ていなければならないし、占領地では占領軍が住民を保護する義務を負っている。実直に国際法を守っていたわが軍が「南京大虐殺」など引き起こす筈がないのだ。

しかし世界には、そのような国際法を守らない軍隊が多く存在した。それが、第二次世界大戦における「戦勝国」であった。

昭和20(1945)年8月9日、日ソ中立条約を一方的に破棄して旧満州、千島・樺太へと侵攻してきたソ連軍は、日本の民間人に対して殺戮、略奪、レイプの非道極まりない行為を容赦なく繰り返した。/領土的野心を剥きだしにしたソ連軍は8月15日以降もひとり戦闘行為を止めない。ポツダム宣言に背き約60万人の日本人をシベリアへ連れ去り、酷寒の地でろくな食事も与えず、重労働を強制し、約6万人を死に至らしめた。人権への配慮などかけらもない所業。「世界遺産」として、人類の記憶にとどめておくのに、これほどふさわしいものはないではないか。(喜多由浩著『満洲文化物語』151頁)

当時の日本は、ソ連との戦争を望んでいなかった。それどころか、対英米戦争の講和の仲介をソ連に依頼していた程だ。日本政府内にも親ソ連派が一定数存在し、ソ連のイメージは現在ほど悪くはなかったのだ。

もちろん、日本の軍部はソ連を警戒していた。何と言ってもロシアは幕末以来の地政学的脅威である。さらに、共産革命の猛威は、皇室を中心とするわが国の国体(国柄)を破壊しかねない。

そもそも満洲国は、そのようなソ連の脅威を抑える「緩衝地帯」としての意味を持っていた。仮想敵国と国境を接することは、偶発的な開戦を招きやすい。領土紛争など、様々なトラブルで隣国どうし仲が悪くなるのは歴史の通例だ。

満洲には、大日本帝国陸軍の中でも精鋭が集められ、「関東軍」を組織していた。関東軍の存在はソ連にとって脅威であり、関東軍が演習をしただけでソ連軍は震え上がったという。

しかし東南アジアでの消耗戦により、関東軍の兵力は徐々に減らされていく。終戦時の兵員数は78万人だったが、そのうち25万人が現地で動員された成人男子だった。弱体化した関東軍は、もはやソ連の敵ではない。

そして事件は起こる。

14日正午近く、真夏のギラギラとした陽ざしが照りつけていたのを覚えている。「戦車だっ!」。(中略)「キャー、逃げろ!」。ドーン、ドカーン…日本人の悲鳴をかき消すように戦車砲が炸裂する。地鳴りのようなキャタピラの音。ダダダっ…機銃や自動小銃の発射音が鳴り止まない。(中略)「日本兵が助けにきてくれたのかと思ったら、ソ連兵だったのです。私の背中のすぐ後ろで、日本人に向けていきなりダダダっと自動小銃を発射しました。ギャーという悲鳴、ブスブスっと銃弾が体に食い込む音…あっという間に30人ぐらいが殺されました」(喜多由浩著『満洲文化物語』152頁)

世に言う「葛根廟(かっこんびょう)事件」である。

日ソ中立条約を一方的に破って満洲国に侵攻したソ連軍は、徒歩で避難する千数百人の民間人に襲いかかる。白旗を上げて降伏の意を示した外交官を射殺したのを皮切りに、女性・子供・老人ばかりの隊列に機銃掃射を浴びせかけながら、戦車で轢き殺していったのだ。

さらに、生存者を歩兵が一人一人銃剣で刺殺して回った。殺害された民間人は1000人を超え、そのうち200人は小学生だったと言う。なんとかその場から逃れた日本人に対しては暴徒化した中国人が襲い掛かり、身ぐるみを剥ぎ、子供達は拉致されて売り飛ばされた。

戦時国際法の一つであるハーグ陸戦条約で、占領軍は占領地の秩序維持義務(第43条)を課せられており、私有財産は尊重(第46条)せねばならず、略奪は禁止(第47条)されている。ソ連軍はその全てに違反した。

葛根廟事件からシベリア抑留に至るソ連の蛮行は、まさに満洲大虐殺とでも名付けて世界記憶遺産にすべき国家犯罪だった。事実上、ソ連の後継国家であるロシア連邦に対し、わが政府は謝罪と賠償を要求すべきではないか。

儚いユートピア「満洲国」の最後はまさに悲劇だった。もし満洲国がなかったら、ソ連は直接日本本土と国境を接することとなり、終戦直後の地獄絵図はさらに悲惨なものとなっただろう。戦後日本国家が冷戦期に分断国家となっていた可能性も高い。

そういう意味においては、満洲や北方領土でソ連軍の毒牙に蹂躙された多くの日本人は、日本本土防衛の犠牲者に他ならない。

現代を生きるわれわれは、もっと過去の歴史を知り、同じ悲劇を繰り返すことのないよう、防衛力の増強に努めるべきだろう。たとえこちらが平和を願って白旗を上げても、「力の空白」が生まれた瞬間、彼らは侵略して来たのだから。

本山貴春(もとやま・たかはる)独立社PR,LLC代表。北朝鮮に拉致された日本人を救出する福岡の会副代表。福岡市議選で日本初のネット選挙を敢行して話題になる。大手CATV、NPO、ITベンチャーなどを経て起業。

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