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衆院選、安倍自民党が圧勝!いまさら聞けない「アベノミクス」って何?

第48回衆議院議員総選挙が行われ、結果は自民党・公明党の連立政権が勝利した。これにより、安倍内閣の継続は確実になったと言っていいだろう。安倍首相の約5年間の政権運営で、常に中心にあったのがアベノミクスである。今回の総選挙の勝利による安倍政権の継続は、アベノミクスの継続とイコールである。

私の友人からは、今回の選挙で税率等の数字は聞くが、それがどう生活に直結するのかがわからないという意見が聞かれた。そこで、安倍政権の政策の「一丁目一番地」(首相官邸HP)であるアベノミクスとは何なのか、何を目指しているのか、私たちの生活にどう関係しているのか。今更聞けない素朴な疑問にお答えしていきたい。

なお、アベノミクスの説明は、評価、効果、生活とどう関係してくるのかなど、様々な切り口から論じることが可能である。そのため、数回かけて説明していきたい。今回はあくまでもアベノミクスの基礎知識について説明していく。

①アベノミクスの目的とは?

アベノミクスの目的は、一言で言えば景気回復である。

前提として日本はバブル崩壊以降、“失われた20年”と言われるデフレ不況が続いている。デフレ不況(不景気)が続くと、失業率が上がり、給料は下がり、ブラック企業は蔓延する。これに対して、今までのやり方を大転換した景気対策が、アベノミクスである。

②具体的に何をしているのか?

アベノミクスは、大きく分けるといわゆる三本の矢と言われる。具体的には、

 ⑴大胆な金融政策
 ⑵機動的な財政政策
 ⑶民間投資を喚起する成長戦略

以上、3つの政策を組み合わせたものだ。

⑴大胆な金融政策

大胆な金融政策は、端的に言えば次のような効果を期待して行われる。

 ・日本銀行が紙幣を刷る
    ↓
 ・一般銀行の所有する国債などを日銀が買い取る際にお金を払う
    ↓
 ・一般銀行の持つお金が増えるため、企業への融資がしやすくなる
    ↓
 ・融資を受けた企業が設備投資をしやすくなり、お金が回り始める
    ↓
 ・仕事が増えて、求人や給料が上昇する

事実、黒田日銀総裁は2年で2%の物価目標を掲げ、市場に出回るお金の量(マネタリーベース)を2年間で2倍にするなどの大胆な金融緩和に踏み切った。通称「黒田バズーカ」である。

その一方で、日本維新の会の藤巻健史参院議員などは、金融緩和に対して、ハイパーインフレや国債暴落などを引き起しかねないと懸念する。ちなみにハイパーインフレとは、月率50%(年率13,000)を超える物価上昇を指すが、今のところ物価上昇は2016年で前年比0.6%であったため、ハイパーインフレとはほど遠い。国債の長期金利も1%以下である。議員の指摘が適当なのかどうかは、また別の機会に書きたい。

その一方で、アベノミクス開始前より物価は上昇傾向にあるものの、目標の物価上昇率2%とはほど遠い。この原因として、アベノミクスが有効性に乏しいという意見と、2014年の消費増税がアベノミクスの効果を打ち消しているという異なった意見が存在する。これについても、後日別の記事で説明していきたい。

アベノミクスの金融緩和とは?

⑵機動的な財政政策

財政出動とは、政府が景気対策を目的に、公共事業などで支出を拡大したり、減税したりすることである。財政政策は、景気が悪い原因を企業に仕事がなかったり国民にお金がないことが原因と考え、公共事業で企業に仕事を与えたり、減税で国民の所得を増やすことで消費や企業活動の活性化を図ろうとしているのである。

一方で財政政策は、国債を発行するため、「財政再建から遠のく」という批判もある。それに対して、景気回復による税収増を見込めるため、大きな問題はないという意見もある。

なお、今回自民党・公明党は消費増税 (正確には、消費増税を前提に消費税の用途変更)を争点に戦った。これは、アベノミクスとは逆行する政策であり、「アクセルとブレーキを同時に踏む行為」と表される。また、2014年の5%から8%への消費増税が原因で景気回復や物価目標2%の達成が遅れているという意見も根強い。

⑶民間投資を喚起する成長戦略

成長戦略とは、規制緩和などで民間企業や個人が投資しやすい環境をつくったり、新規参入を施したりする政策である。具体的には、農協改革、TPPへの参加やFTAの推進、女性の活躍などがこれにあたる。これは、直接的な景気回復というよりも、日本経済の成長の伸びしろを増やすため、長期的な経済成長を施す政策ととらえて良い。

⑷今までの政策と何が違うのか?

今までの政権が景気回復を目指していなかったかというと決してそのようなことはない。小渕政権・麻生政権ではでは⑵が、小泉政権では⑴と⑶を組み合わせた政策が採用された(もっとも、民主党政権では、これといった政策は打たれなかったが…)。しかし、これら3つの景気対策を組み合わせた政策は、アベノミクスが初めてである。これは官僚の抵抗を排してはじめて実現した。しかし、官僚の抵抗は未だに激しく、決して思うような政策は打てていないというのが現状だ。

③まとめ

今回、改めてアベノミクスは何なのかということを説明してきた。次回以降は、アベノミクスがどのような効果を及ぼしているのか。本当に景気は回復しているのかなどを説明していきたい。

齋藤元孝(さいとう・もとたか)/平成6年生まれ。北九州市立大学法学部政策科学科在籍。2009年、当時中学3年生の時に迎えた政権交代に衝撃を受け、政治に興味を持ち始める。知行合一をモットーに、現場に入って学ぶことを重視する。現在、救う会などの社会運動にも参加している。

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